国立歴史民族博物館くらしの植物園伝統の古典菊をご覧下さい。

今回は、くらしの植物園伝統の古典菊を公開しました。
 千葉県佐倉市に国立歴史民族博物館の付属施設として、くらしの植物園があり、平成19年10月30日から12月2日の間、伝統の古典菊展が開催されていますので、撮影にでかけました。

 菊は日本を代表する園芸植物の一つです。菊そのものは日本の在来植物ではありませんが、平安時代には宮廷で菊花の宴が流行していることから、律令文化とともに中国からもたらされたものと考えられています。平安・鎌倉時代には日本独自の美意識のなかから、花弁が筆先のようになる嵯峨菊や、花弁が垂れ下がる伊勢菊といわれる独特な菊をつくりだしました。また、菊は支配者層のなかで、宴に、美術工芸品に、不老不死のシンボルとして特権的地位を示すものになりました。近世以降は大衆化し、変化に富む園芸種の菊花壇や、菊細工の見せものが流行したと言われています。その隆盛に大きくかかわったのが、肥後菊と江戸菊です。
 くらしの植物苑ではそれらの古典菊といわれる、嵯峨菊・伊勢菊・肥後菊・江戸菊を1999年から収集・展示し、昨年からは江戸菊の作法の仕立て方を踏襲すべく栽培を行ってきました。今年は江戸時代の菊の観賞法をテーマとしたパネル展示コーナーを設け、また江戸菊の花形が変化していく様子も見ていただく予定です。

(国立歴史民俗博物館 「HPより」)   2007年11月03日撮影 




 
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